ピンと来た旅先には、何度も行くともっと楽しい

 

 

 

原田亜紀(はらだ あき)

 

フリーの観光プランナー・編集者

オフィス RiCCA CREATION 代表

 

1971年10月生まれ、札幌生まれ札幌在住。生まれてこのかた札幌以外に住んだ事がない、生粋の札幌っ子。大学卒業後、市内の求人情報誌会社で営業を4年。その後旅行情報誌で編集と地域振興を16年経験(副編集長)。さらにその後、旅行会社で地域振興専門職として5年経験後、独立。   

 

 

 

 

北海道は、広い。それなのに、札幌~阿寒~知床を3日間で回る、というツアーもまだ見かける。

回れなくはないが、恐らくほとんどを移動時間に費やす事になるだろう。・・・とは言いつつ、私が編集デスクだった時に、若手編集者5名で「北海道一周リレー」を6日間位でやってもらった事があるのだが・・・、回るだけじゃなく、もちろん取材・撮影の時間も込みで。今振返ると、本当に鬼だったと思う。

 

何が言いたいかというと、1箇所にステイする時間が短か過ぎて、その土地の本当に面白い(オイシイ)ところを味わえずに去っているのではないだろうか、という事なのだ。

 

 ここ3年程、2ヵ月に1回位のペースで礼文島に行っている。「憧れの旅行先」として常に名前が挙がる礼文島。こんなにハイペースでお邪魔できて、本当に有り難い。

オンシーズンは5月~9月の5ヵ月のみ。昆布とウニが特産品である。礼文の昆布は「利尻昆布」というブランドで出荷され、市場では「シマもの」として希少で価値が高いそうだ。福井の老舗昆布問屋さんでは、「礼文島香深(かふか)産」が熟成昆布として京都の一流料亭から指名で買われるそうだ。この熟成に耐えられる質の高い昆布が礼文産なのだ。

 

礼文島の昆布漁は、いつでもやっているワケではない。

 

①2~3日晴れが続くこと

②風が穏やかな事

③波も穏やかな事

 

この条件が合う日に行われる。

ひとつ大きな条件として昆布がちゃんと育っている事、はもちろんである。

 

②の礼文島で風が穏やかな日・・・にあまり出合った事が無い。いつも私が行く時は強風である。地元にとっては「いつもの天気」のようだが。なので、昆布漁ができる日は非常に限られている。その日は、早朝から漁師さんとその家族・親戚縁者総出で昆布漁+昆布干しである。人口2,600人の町のほとんどの人が手伝う事になる。夏の終盤にはみんないい色に焼けている。

 

 礼文といえば、ウニ! 島では「バフンウニ」を「ウニ」と呼び、「ムラサキウニ」を「ムラサキ」と呼んでいる。バフンウニが無い時は、「ごめんね、今日ムラサキしかないの。それでもいい?」と聞かれる・・・。もちろんです!食べます!  

 

ウニも礼文のブランド食材だ。一定の大きさに満たないウニは採らない。捨てるのではなく採らないのだ。札幌のフレンチシェフが言っていた。漁師さんは、食材に触れる一番最初の料理人である、と。漁師さんが水揚げしてすぐにどのように処理をするかで、食材の味が大きく変わる、と。礼文の「ウニ」は環境にも恵まれているが、漁師さんのウニに対する心配りもまた、味に出ているのではないだろうか。

 

礼文の一流食材は、島の人たちの想いと手作業で、丁寧に扱われている。それに気づくのに、3年もかかってしまった。

きっとこのシーズンも、島の人たちは屈託の無い笑顔と、何て事ない事をしてるような風で、沢山のお客さんを迎えるのだろう。

 

一度さっと行ってみた場所に、再度じっくり訪れると、地域は新たな顔を見せてくれる。

特に礼文に行く皆さん、少なくとも2日間は確保を。トレッキング、グルメ、天気&景色、島の人とのおしゃべりで間違いなくあっという間の2日間になるはずだ。

 

 

 

( 絵 / Midori Kambara )

 

 

 

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