イタリア料理から学んだ北海道の美味しさ

 

 

 

川端美枝(かわばた みえ)

 

イタリア料理イルピーノ オーナーシェフ

 

札幌生まれ、札幌在住。

大学卒業後に勤めていた銀行を退職し、骨休みに旅行したイタリアでイタリア料理の奥深さを知る。以降、毎年イタリア各地に留学し、料理とワインを学ぶ。

その後、フードコーディネータの資格を取得し、2003年にイタリア留学の経験を活かして「イタリア料理イルピーノ」をオープン。

北海道の食材を使用したオリジナル商品の開発・販売、料理教室講師、6次産業化ボランタリープランナー、企業や自治体向け食のアドバイザーなども務める。

 

https://www.ilpino-il.com/

 

 

 

 

私にとって平成は変化の多い季節でした。

 

学生から社会人になりそしてイタリア留学、その後イタリア料理店をオープンと。

まさか自分がこういう人生を送っているとは。

20代の後半をイタリアで過ごし、イタリアの文化に触れ、イタリアの食のすばらしさを知り、本場イタリアで見たイタリア料理を札幌で提供したいと思うようになり、平成15年、札幌・時計台の近くに「イタリア料理イルピーノ」をオープンしました。

飲食店の知識もなく経営も知らず、いま思えば若気の至りというほかありません。

 

オープン当時のメニューは、まだ日本では知られていない本場イタリアで見たものを集めてご提供しました。が、見たことも聞いたこともないイタリア料理に興味を持ってくださるお客様は少なく、「ナポリタンは?」「たらこパスタは?」・・・と。

それでも当初は、きっとわかってくれる人がいると信じ、珍しいイタリア料理を提供し続けました。

しかし、運転資金に陰りが見えてくると「私がイタリアで感動したイタリア料理とは何だったのだろう?」・・・と自問するようになり、たどり着いたのが、「地元の食材・旬を大事にし、その時そこに行かなければ食べられないもの」こそがイタリア料理なのだという原点でした。

 

では、この札幌でイタリア料理店を続けるためにはどうするべきか・・・。

その答えが「北海道の食材でイタリア料理を作ろう」だったのです。

 

今ではSNSなどを通じ道内の生産者と簡単につながることができますが、今から15年ほど前、北海道に住んでいても道産の食材を入手するのが難しい時代でした。

どこで誰が何を作っているかという情報も乏しく、どう入手していいかわからず、知人を頼って食材を探しに道内あちこち出かけていました。

 

当店は道産食材に目を向けたレストランとしては先駆けだったことにより、早くから多くの生産者とつながることができました。

今では、道内各地の生産者から旬の食材が直接当店に届きます。

 

道南から渡り蟹や大きな椎茸、メークィン。

札幌近郊、当別から甘くておいしいとうきび(トウモロコシ)に、珍しい野菜やこだわりの豚肉。

千歳からは苺「けんたろう」、江別から雪の下人参や小麦粉、チーズ。

そして、余市からは高品質な北海道のワイン、十勝からは牛肉や珍しい品種のジャガイモ、道東からは美味しいサバ・・・などなど。

 

これらの食材を使ったお料理を楽しみに、道内はもちろん道外、時には海外からも多くのお客様が来てくださるようになりました。

道産食材に目を向けることができたおかげで、今もイルピーノは存続できていると思います。

 

とりえもない私が、自分の好きなことが「食」であることに気がつき、それを「職」にすることができたおかげで、多くの方と出会い、助けていただき、実り多い日々を過ごすことができています。

 

さて、まもなく平成も終わり新しい元号に。

平成は多くの方にお世話になった時代、そしてこれからの新しい時代、少しお返しができたらと。何ができるかわかりませんが、私にできることは「北海道は美味しい」と伝えることだけ・・・。

子供食堂や一人暮らしの高齢者向けの食事の提供を通じて、食の楽しさや北海道の食材のすばらしさを伝えたり、「食」を通じて「職」の大切さを伝えることができる時代にしたいと思っています。

 

 

 

 

( 絵 / Midori Kambara )

 

 

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