森下開理(もりした ひろまさ)

 

有限会社モリワ食品の代表取締役

 

1983年札幌市生まれ。立教大学大学院修了。

ユアサ商事に入社後、東京本社と新潟支店で企画営業を経験。その後ソフトバンクに転職し、法人営業や新規事業開発担当として多数のプロジェクトに携わる。
2017年7月に地元北海道でお菓子ブランドTHE TREE TIMESを立ち上げ、有限会社モリワ食品の代表取締役に就任。

 

 

 

 

今から25年ほど前、小学校の春の遠足で近くの公園に皆で訪れた。そこで見た光景を未だに夢に見る。

大きなカナールと呼ばれる整備された水路がある。そのカナールと平行線にポプラ並木が清潔に整列して佇んでいる。横には白樺並木があり、子供ながらに心を動かされたことを未だによく覚えている。

私は子供の頃昆虫が非常に好きで、ここでミズカマキリやゲンゴロウを捕まえたり、シオカラトンボを追いかけたりしていた。中学生の頃はランニングをしたり、高校生の頃は友達とくだらない話を遅くまでしたりという思い出がある。

それから大人になってもなんとなく節目にはその公園に一人で訪れるようになった。

 

社会人になって東京で働くことになったのだが、そこらじゅうの雑音や人の多さに心底驚いた。当時は会社の寮に住んでいたが、室内にいても外からの絶え間ない騒音で気が休まらない。また、寮なので部屋が非常に狭く通勤も満員電車で一時間程度かかるが、東京では当たり前である。慣れるまでにかなり時間がかかった記憶がある。

そこで生活していく中で、何よりも春の概念が北海道とは少し違うように感じた。

東京の冬は花が咲き、木には実がなり、何より暖かいのである。私を含めて道産子は冬の厳しさと比例して春を待ち望む気持ちが非常に強いと思う。北海道の春は長い冬の厳しさを耐え抜いたその先の希望のようなものだと感じている。特に春の雪解け後のコンクリートの匂いや、少し雪の残った土手にふきのとうやつくしが顔を出すさまには何とも言えない喜びを感じるのは私だけではないだろう。

 

昨年より家業を継承するため、東京でのサラリーマン生活を辞め地元に帰ってきた。その時に真っ先に一人で立ち寄ったのも例の公園である。春の朝が特に最高で、誰もいない贅沢な空間を堪能できる。天気の良い日は1㎞先も見渡せるし空気感が素晴らしい。

嫌なことがあってもここに来ると、子供の頃の楽しい思い出が回想されてリフレッシュし、明日への活力がもらえる私の原風景である。

 

その公園は前田森林公園という。

 

 

 

( 絵 / Midori Kambara )

 

 

 

 

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