エイガマリ(えいが まり)

 

SapporoTrailGIrls 代表 ママトレイルランナー

 

1974年東京生まれ 埼玉育ち 札幌在住 
高校生の娘と夫3人家族
暮らしの中にある四季折々の札幌低山の楽しみ方をガイド
女性トレイルランナー向けの練習会やトークイベントを企画主催

 

 

 

5年前、夫と小学生の娘を送り出しそのままふらりと円山へ足を向けました。

円山はいつも家の窓から眺めている景色ではありましたが、登ってみたことはありませんでした。当時わたしはもうすぐ40歳の専業主婦で、慢性化した喘息に悩み寝不足続きで疲れやすく、家事をするだけで夕方にはいつもぐったりとしていていました。


円山動物園の脇から薄暗い登山口に足を踏み入れると、そこはまるで別世界でした。

神聖で澄み切った森の空気、円山川のせせらぎ、桂の木から漂う甘い香り、久しぶりに踏む土の感触、大木をみあげるために思い切り顔をあげ、ぬかるみを避けるために足を大股に開きました。両手でロープをつかみ気だるい身体を持ち上げました。


登山は中学生の遠足以来です。

途中で息があがり、苦しくて何度も木の根に腰掛け休憩をしました。しばらく休んでいると小鳥たちがさえずり、尻尾の大きなエゾリスが枝から枝へと飛び回りながらほんとうにすぐ近くまで寄ってきました。まるで私がいないかのようにまたは昔からいる仲間のように、静かな森の時間が流れはじめました。


再び歩き始めると、木々の隙間から見える街並みががだんだんと小さくなっていきます。

ゆるやかなのぼりくだりを繰り返しながら行き交う人たちも、気さくに話しかけてくれました。皆さん溌剌として爽やかで、山のこと装備のこともいろいろと教えてくれて、中には毎日のぼっている人もいるようでした。


1時間ほどかけて円山山頂に到着。

 

素晴らしい景色!

 

しばらく味わうことのなかった爽快な達成感がありました。

生い茂る緑、青い空と流れる雲、さっぽろの街並みを走る車はミニカーみたいで、小学校の校庭からはチャイムの音が聞こえてきました。

まるでご褒美のような平和な眺めです。自然の美しさと人々の暮らしの営みに、愛おしさを感じました。


火照った身体に吹き抜ける風が気持ちよく、10分ほど滞在してくだりは八十八ケ所の地蔵口からおりてみました。

不思議な形の木の根や植物や花が咲いていて、名前もわからず iPhone で写真をとりました。岩場が多くたくさんのかわいらしいお地蔵さんがいて、また違うたのしさがありました。

 

慎重に歩いて30分ほどでくだり、円山動物園のセブンイレブンで暖かいコーヒーを飲みほっと一息。

何気ない日常に、こんなにアドベンチャーで素敵な時間が過ごせることにすっかり感動していました。充実感いっぱいで帰宅し、その日のInstagramに円山の樹々の写真を投稿しました。

 

すっかり円山に魅了されたわたしは四季折々、朝、昼、晩と隙間時間をみつけては、せっせと札幌の低山に通っています。

晴れの日も雨の日も雪の日も毎日違って楽しいです。お昼に時間ができたら簡単なサンドイッチを持っていってコーヒーを淹れたり、おにぎりやほうじ茶を持っていきます。「これがほんとうの円山ランチだわ」とひとり味わう自由で贅沢な時間です。


円山に通い始めて5年、喘息を始め心身の不調は改善し身体もすっきりと引き締まりました。季節のものをおいしく食べよく眠り、健康的なライフスタイルを保てるようになりました。悩むことがあっても、さっと山に登って帰ってくると本来の自分に戻れるような気がします。

体力がついてきた今は、札幌の山々を縦走したり街と山をつないだり、遠くのすてきな山に遠征したり、山を駆けるトレイルランニングのレースも楽しんでいます。

今年はアメリカのコロラドボルダーで、ラン&マインドフルのセッションを楽しんできました。

何も持たずに円山に通い始めたわたしは、必要最低限の軽装備で行って帰って来ることのできるトレイルランニングは性にあっていると思います。

 

 

 

円山(標高226m)難易度★

地下鉄東西線円山駅3番出口から徒歩13分

 

【コースタイム】
登り:円山動物園コース40分
下り:八十八ケ所コース30分
参考図書:「はじめてのさっぽろ山ガール」北海道新聞社「北海道夏山ガイド①」北海道新聞社

 

 

 

( 絵 / Midori Kambara )

 

 

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