
北海道命名から150年になる今年。
21年前に北海道に戻り、新千歳空港の「スカイショップ小笠原」で働き始め、この年になるまで「道みんの日」なるものがあることさえ知らなかった。
150年って長いようで、私の歳の3回分と考えると、そうでもない様な気もする。
昭和38年、旧千歳空港の時代からテナントとして商売させて頂いているが、当時は熊の木彫りや道型キーホルダーなどの民芸品が売上の大部分を占めていたと聞く。
その後は、毛ガニやホッケの一夜干し等の海産品が主流を占めていく。
今ではお菓子のオンパレード。
当店の売上の9割は菓子が占める。
海外からのお客様が増え、お客様の嗜好が変わっていく中、これからは何が主流になっていくのだろうか?
今年の1月に「北海道おみやげ研究所」なるものを立ち上げた。
その名の通り北海道の新しいお土産を作る研究所。
その中で、今までの北海道のお土産史も研究しているのだが、面白いことにこの30年ほどで、単品で10億円を超えるような大ヒット商品が6つほどある。
つまり、5年に一度は生まれている。
ロイズ生チョコ、六花亭ストロベリーチョコ、花畑牧場の生キャラメルなどなど。
我々も空港で商売をやらせていただいていると多くの常連さんがいらっしゃってくれるのだが、決まって聞かれるのが「なんか、新しいもの入った?」とのお言葉。
年に数度も北海道にいらっしゃる方々は、定番商品だけだと飽きられるし、同じものばかりでも芸がない。
つまりお土産ってその方のセンスが問われる訳で、お土産選びが楽しみであり、悩みでもある。
当店で行けば、7割がいわゆるみんなが知っている定番商品、残りの3割でお客様が勝負している感じだろうか。
石屋製菓、六花亭、ロイズ、ルタオ、北菓楼、じゃがポックルと、これだけの全国的にも知名度の高い商品がありながら、これ以上の商品が出てくるのだろうか?
それでも歴史には5年に1度の事実がある。
そんなお客様にとって喜んでいただける商品を創り出すのが、「北海道おみやげ研究所」の仕事。
みなさま、ご期待ください。
そして「道みんの日」7月17日は、私の誕生日。
この仕事につけたことに感謝したい。
北海道おみやげ研究所公式サイト ⇒ http://yamato-ogasawarashouten.co.jp/audition.html
( 絵 / Midori Kambara )

小笠原 航(おがさわら わたる)
株式会社山ト小笠原商店 代表取締役社長
1966年、北海道千歳市生まれ。
函館の高校を出て、横浜の大学に。株式会社リクルートを経て、30歳で実家である株式会社山ト小笠原商店に入社。現在、代表取締役社長。
夢は「北海道のモノを世界一売る」こと。 人生のモットーは「マジと洒落の間で」。
妻一人、三男二女の父。