ソムリエの資格を取得して25年が経ち、いま、私がもっとも力を入れていることは北海道のワインと食のペアリングです。同じ産地のワインと食を組み合わせることは、人が旅をする目的にもっとも叶う楽しみであるばかりでなく、北海道の魅力を相乗的に実感してもらうことができ、北海道のワインを世界に広めていくための大切な要素となっていきます。

 

私が北海道のワイナリーで初のソムリエとして勤務を始めた当時、やや甘口でジューシーな「ナイヤガラ」や「キャンベルアーリ」のロゼワインは、ワインとしての評価が著しく低かったものです。しかし、ナイヤガラはカマンベールタイプの道産チーズに良く合い、キャンベルロゼは味付けジンギスカンの風味にとても調和します。じつは、ワインと食にはそれぞれの色や香り、味わいに共通点があると合わせやすいことが多く、単純にワインにはチーズとか、白ワインには魚、赤ワインには肉ということではないのです。

 

ワインと食の組み合わせには、冒頭にあげた「テロワール(地域性)」の次に「ハーモニー(調和)」という考え方があり、これは「似た者同士は相性がよい」という人間にも共通する原則です。白ワインで果実感たっぷり、やや甘口のナイヤガラには、白カビのチーズで脂肪分の甘さとなめらかさが特徴のカマンベールが合うのは、色合いや味わいの特徴が一致するからです。同様にロゼ色に焼きあがるジンギスカンは、タレに果実や糖分が多用されることから、辛口の赤ワインよりもむしろロゼのやや甘口とのハーモニーがいいのです。

この発想に立つと、ナイヤガラの強い香りはハーブやスパイスを多用するアジアンテイストの料理にも向くし、キャンベルなどのフルーティーなロゼは甘酢やタレを使った料理との相性がいいかもと予測がついて、ワインを選ぶことがとても楽しくなるでしょう。

 

それでは、お土産として楽しめる北海道のワインと食のペアリングを少しご紹介します。
 

初夏の海の幸の代表といえるウニ。むき身が滅菌海水とともにパック詰めされて流通する「塩水ウニ」は「ミュラー・トゥルガウ」の白ワインと極めて相性がいいものです。「月浦ワイナリー」や「ふらのワイン」で作られているミュラー・トゥルガウのほのかな甘さと、いきいきとした果実感。塩水ウニをそのままで、または一滴のレモン果汁を振りかけると、塩気と甘さを引き立て合う、初夏の北海道を代表する飛び切りのペアリングが楽しめます。
お土産として人気の高い北海道スイーツも、甘口のワインが大変よく合うものが多いです。定番ともいえる六花亭の「マルセイバターサンド」に十勝ワインの「ブランデー仕込み梅酒」は、芳醇で幾重にも味わいが深まるペアリングです。30年もののブランデーに漬けた梅酒というところにも価値がありますが、バターとレーズンの風味との組み合わせが絶妙。


私が小樽運河で経営する「北海道・ワインセンター」のセレクトショップでは、「ホワイトアスパラガスのピクルス」と北海道ワインの「ケルナー」の組み合わせが人気です。

 

読者のみなさまが北海道を訪れた際には、このように簡単な「似た色、似た味・香り」を手掛かりに、北海道のワインと食を楽しんでもらいたいと思います。いや、むしろ最初から北海道のワインと食を楽しむことを目的に来て下さることを願っています!(笑)

 

 

 

 

 

( 絵 / Midori Kambara )

 

 

 

 

 

阿部 眞久 (あべ まさひさ)

 

ワインクラスター北海道 代表理事 シニアソムリエ

 


1974年 宮城県仙台市生まれ、小樽市在住。
子どもの頃から両親の実家のある北海道に憧れを持ち、小学5年生のときには鉄道と青函連絡船を乗り継いで仙台から札幌までの一人旅をしたことが北海道の旅や食に興味を持つきっかけとなる。 
宮城蔵王ならびに仙台市内でのホテル就職後よりソムリエ資格の取得を目指す。1997年に日本ソムリエ協会の認定するソムリエ資格を受験年齢最年少(23歳)で取得。 
小樽商科大学 大学院商学研究科アントレプレナーシップ専攻修了 MBA(Master of Business Administration /経営管理修士) 

 

<主な資格・任命>
シニアソムリエ、ソムリエ (日本ソムリエ協会) 、国内旅行業務取扱管理者 (国家資格・観光庁) 、北海道フードマイスター (札幌商工会議所)、 北海道らしい食づくり名人 (北海道庁)、 北海道観光アクティビスト (国土交通省北海道運輸局)、 Shiribeshi 酒 アンバサダー(後志観光連盟) 、小樽ふれあい観光大使 (小樽市)

 

 

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