人から何故か「犬」と呼ばれる事が多くある。

 

決して“政府の犬”とか“会社の犬”とかで使われる「犬」では無く、純粋にワンコとしての「犬」である。

そんな人でなし(意味が違う)の私は、北海道からほぼ外に出たことが無い。

 

ススキノ産まれススキノ育ちの悪そうな犬は、だいたい友達。ワンワン。

 

ぬくぬく庭を駆け回り、高校をブービーで卒業して、ススキノ大学でふらふらバイトを重ねること2年…。

 

犬でも気付く。「このままじゃいけん」。

 

野性の血が騒いだのか、親が言う「好きなことやるのは大学行ってからでも遅くない」のひと言が効いたのか、火事場のバカヂカラで入った大学が、これまた北海道の東側に位置する畜産大学。

 

入学してビックリ。
ここは生徒の8割以上が北海道の人間では無いので、北海道弁が通じない。まさに異国。 

 

この時点では飛行機に乗ったことがなかった私には、初めての海外、初めての道外“気分”である。

 

しかし何故、全国(全世界)から北海道に?
しかも、こんな東の田舎に?と、自分も飛び込んでおいてなんだけど、思った始末。

 

観察してみると、ここの大学は変わり者しか入学して来ないのか?と言うくらいに、実に面白い。

 

真面目なんだか不真面目なんだかわからないけれども、みんな兎に角、農業から畜産からきっちり世界を眺める。

 

私の場合、作物を掘り下げ、その病原菌に至り、さらに掘り下げ、DNAに至って…という方面の研究に没頭していたためか、かなり社会からアウトして、人間を飛び越えて、地球主義まで辿り着き、今に至っているのだけれど。

 

人間って、ちっぽけだな~。
生物って、みんな一緒だな~。
北海道って、実際生物の宝庫じゃないか!
その上にぽつんと成り立っていたんだな。
こんな宝物の土地に住んでいたんだな、としみじみ実感。

 

そんな私、大学院へ進む話を目前で蹴とばし(ホントの意味で人でなし炸裂)、就職したのは北海道の地ビール会社。

 

土地があって作物が育って、その作物を加工したものを使って、酵母という微生物が発酵を促し、黄金のぐびぐびが出来上がるなんて、しかもそれに携われるなんて!って考えたら、大学院なんて蹴りますよね?(笑)

 

当時、女性初のビール醸造士として持て囃され、触るもの皆に噛みつき、2年と少しで
「私、飲食の世界に行きます!」と、辞表を提出。

 

向き合うものが、病原菌から、酵母から、野菜やお肉やお魚に変わっただけで、やっぱり私の興味はいつも、その土地のもの由来の生物。

 

料理を作るという意識よりも、「この物達が一番輝けるようになるには、何をしたら良いのだろ?」という意識に集中すると、料理が出来上がるという感じ。

 

およそ未だに社会や人間に向き合えないまま、北海道から出ておりません。

 

それもこれも、気の小ささが成せる技かもしれないけれど。
弱い犬ほどよく吠える。

 

某電話会社のお父さんよりも北海道犬らしく、北海道を、生き物を愛し続けて、最期に北海道の土と同化できたら本望だな、と。

 

 

 

 

( 絵 / Midori Kambara )

 

 

 

 

 

大谷奈々(おおたに なな)

 

Magazzino店主 
 

札幌市生まれ。帯広畜産大学を卒業後、ビール醸造士を経て料理の世界へ。
人付き合いが物凄く苦手。

 

MagazzinoのFacebookページ https://www.facebook.com/oyoyomagazzino/

 

 

 

 

 

 

 

 

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