天気予報を伝える仕事で、平日は毎日、道庁赤れんがの真正面、北3条広場に立っています。観光客も多い場所です。晴れて青空バックの赤れんがを見られるような日は、思わず「北海道、いいっしょ?」と誇らしい気持ちになります。

 

ただ、ここ数年、北海道では本来カラッと晴れる日が多いはずの6月、7月あたりにぐずついた天気が続いたり、小さな雨雲が突然発達して雷雨になったりということが増えている印象があるのです。

 

背景には、どうやらといいますか、やはりといいますか、地球の温暖化があるようなのです。気象庁の統計では、北海道内7地点の年平均気温は、100年で1.59℃のペースで上昇。つまり、北海道でも温暖化が進んでいるのです。

 

北海道が暖かくなる。これだけなら寒がりの方にとっては朗報で、恩恵を受ける産業もあるでしょう。ですが、やっかいなのは、温暖化の影響で、雨の降り方が変わってきていることなのです。

 

海水の温度が地球規模で高くなってきたことで、大気中に雨雲の元になる水蒸気の量が増えてきているのです。もともと北海道は、激しい雨が降ることの少ない地域だったのですが、1時間に30ミリ以上という土砂降りの発生回数が増え、1日に70ミリ以上の大雨の日も増えているんです。

 

温暖化が続く限り、この傾向は続いていく見通しなので、私たち予報士が、大雨への警戒を呼びかける回数が増えていく傾向にある、ということでもあるのです。

 

ちなみに、冬場の雪はどうでしょう。雪の量は、温暖化で少なくなるイメージがあるかもしれませんね。確かに、気温が高くなるので、0℃ギリギリで“雪”が降っていた地域やそのような降り方をしていた時期は、“雨”として降ることが多くなるでしょう。
たとえば札幌など大きな都市の積雪は、数十年単位でみると減ってきていて、この傾向は続くようです。

 

ところが、道北の内陸のような“十分に寒い地域”では、少しくらい気温があがったくらいでは雨と雪の境界の気温を超えないので、この先も“雪”のままで降る見通しなのです。

 

しかも雪雲の材料、水蒸気が増えてきているので、降る“量”が増えていく。つまり、道内の一部ではありますが“十分に寒い地域”では、この先、雪が“増える”見通しになっているんです。

 

今年2月に道北の幌加内町で、324センチの積雪を観測し、北海道の積雪記録を塗り替えましたが、そこまでいかなくても、このあとも記録的な大雪が道内のどこかで降る可能性があるのです。

 

このように、極端な天気がこの先増えることが予想されていますから、いままで以上にこまめに予報を確認されることをおすすめします。また、スマホなどで見ることができる雨雲(雪雲)レーダーをチェックする習慣をつけておくのも危険回避のコツです。

 

ただ、予報を伝える側としては、毎日のように注意・警戒ばかり呼びかけたくないのが本音です。1日でも多く「おでかけ日和♪」「農作業日和♪」と、笑顔で予報したいのです。さて、今年はどんな夏が待っているのでしょうか。

 

 

 

 

( 絵 / Midori Kambara )

 

 

 


 

 

近藤 肇(こんどう はじめ)

 

HBC北海道放送アナウンサー・気象予報士 

 

出生地は名寄市。子供の頃、父の仕事の関係で、雄武町⇒東藻琴村⇒滝上町⇒札幌市と転々とする。科学者になりたくて北大工学部に。1年間のデンマーク留学後、大学院で微分方程式の壁にぶつかりアナウンサーに。リポーターやキャスターを経験するも、別の壁にぶつかり気象予報士に。現在、テレビ「今日ドキッ!」(平日午後3時44分~7時)で天気予報を担当。趣味は、川原や山頂に折り畳みのイスを置いてコーヒーを飲むこと。

http://www.hbc.co.jp/tv/doki/

 

 

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