北海道だから楽しめるファッションを

 

私は北海道に生まれた。

子供の頃から森の中や川で遊ぶのが好きな子だった。気がつくと、私の感性は北海道の大自然の美しさで作られていると、ふと思うことがある。

 

真っ白な中にキラキラ光る雪の美しさ。葉が落ちた木々が白い世界にたたずむモノトーンの世界も素敵。雪が降った日の朝の澄み切った空気や、ふりたての雪が樹木に白い花を咲かせた景色も大好きだ。

冬だけではない、どこまでも広がる大地、緑の山々、空気が澄んだ過ごしやすい夏。そんな景色に子供の頃からドキドキして育った記憶がある。

心の奥に強く残った美しい景色や匂いのイメージで、感性が作られているのかもしれない。

 

学生の頃からファッションが大好きだった私は、好きなことを続けているうちに自然と撮影のスタイリストになっていた。

初めは東京に行ってみたいと思っていたこともあったが、気がつくと北海道を離れずにとうとう30年のキャリアに。心の奥に潜む美しい風景、風の匂い、ドキドキした想いが、私の心を離さずにこの土地に留めていたのかもしれない。

 

スタイリストになって30年近く経った今は、ファッションの中でも流行最前線のようなスタイリングより、どこか現実的でもっと本物思考のものを大切に思う。

北海道の生活では、日常を快適に過ごすための洋服とお洒落な洋服はどちらも同じく重要なのだ。流行アイティムだけでは、成立しない。特に冬は、ファッション雑誌の冬のコーディネートをそのまま着たら、寒さで風邪を引いてしまう日も多い。

 

ファッションでも北海道は独自の文化が必要だと感じる。四季がはっきりしているこの土地には、きっとここだけの素敵な着こなしがある。機能性とお洒落を両立しつつ、寒暖差を楽しめる重ね着レイヤードを美しく着こなすことが、コツになる気がしている。

アウトドアやスポーツミックス、ミリタリーアイティムを好きなファッションブランドのものと一緒に着こなすスタイリングなど、工夫次第でお洒落はより楽しく広がっていくイメージ。

 

北海道メイドのファッションブランドも、もっとたくさん誕生してほしい。

2017年から札幌の雑誌で毎月、「プロダクトストーリー」というエッセイを書いている。これからは「地産地消」と言ってもいいものだろうか、食や住だけではなく、ファッションも北海道メイドの素晴らしいものを取り入れて応援していきたい。

 

美しい島・北海道だから楽しめるライフスタイルとお洒落。毎日をより大切に、四季の変化を楽しみながら過ごせる人生、そんな“素敵”がここにはあるのだと、大人の私は確信している。

 

この先どこかへ行くことがあったとしても、この北海道に生まれたことを誇りに思いたい。

 

 

 

 

( 絵 / Midori Kambara )

 

 

 

 

石切山祥子(いしきりやま さちこ) 

 

スタイリスト事務所「SPUTNIK 」石切山祥子

 

1964年2月29日、北海道生まれ。   

大学卒業後にOLをしながら「小室哲子スタイリスト塾」で2年間学び、1988年にスタイリストに。広告中心に撮影の仕事で活動中。衣装からインテリア、家具、食器、料理と、ジャンルも幅広い。最近は執筆、講演、講師、イベント出演、個人スタイリング、ディスプレー、パーティスタイリング、制服スタイリング提案など、活動範囲が広がっている。

札幌発の遊び・飲食等の総合情報誌「O.tone」に「プロダクトストーリー」を連載中。

 

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