「飛行機でデザインの本なんか読むな、SPAを読め。」

 

羽田に向かう機内で、当時勤めていた会社の先輩に言われた超名言。確かにその後のプレゼンで一番の盛り上がりを見せたのは、雑誌に書かれていた記事の内容だった。ウェブディレクターとして完璧な企画書とプレゼン力があれば良いというものではなく、話題の幅や旬のネタや業界の裏話を知っておくことも大切だということを学んだ。

 

この破天荒な先輩に誘われて、夜明け前のドバイに初の海外出張に行ったのが、ピッタリ10年前の今日。出発する1週間前に連絡がきて、ドバイに行くから準備しろと言われたんだっけという曖昧な記憶っだったけど、昔のブログを読み返すと急遽週末からドバイに行くことになったと書いてある、恐るべし記憶力とインターネットの記録。ので2007年12月8日が海外で仕事を始めた記念日で2017年12月8日はバンコクの事務所で文章を書いている、すごい偶然。

 

ドバイで過ごした濃い数週間が、その後の会社設立と海外拠点設立のきっかけになったのは間違いない。あともうひとつ、創業当時は仕事も少なく、プレゼンに呼ばれれば東京をよく往復していた。いつかの都内の食事会中に、向かいに座っていた方に言われた「同じ金額で海外に発注するなら日本語が喋れる北海道にやらせた方がよい」という当時の僕には相当イラっとする一言も、東京以外に事務所を作り札幌から海外に出るという強い決心をさせたきっかけになっている。

 

みんなが知らないことや、やらないことをやるという意志でチェンマイにオフィスをつくった時は特に不思議がられた。東京じゃないんですか?札幌から海外行って成功するんですか?という質問には大体「その方が面白そうだから」と答えるが、ホントは自分がずっと住めそうな場所で仕事をするのが普通だと思ったからだ。北海道という厳しい環境で仕事ができているなら僕らの規模ではマーケットなんて選ばない、インフラさえあれば行きたいところに行くという気持ちがあった。

 

 

現在は海外に6つ目の拠点を作っている最中でスタッフの半分は外国人になった。海外で働くようになってから東京で言われたことの裏返しのような話を聞く「日本とビジネスすることはリスク」。なるほど確かに海外で作って日本で消費する時代ではなくなった、海外で消費するものを僕たちが作って驚かせる絶好の機会がきた。誰も知らないから自分たちがやる、リスクだと思われているくらいが丁度よいのかもしれない。

 

もっというと国をまたいでビジネスすることにすごい決意や情熱は必要ないんじゃないかと感じている。北海道でもバンコクでもジャカルタでも好きなところで好きに働いたらいいんじゃないのと。気軽にいつもの景色を角度を変えて見ることで新しいアイデアが出たりそのエリアの魅力に気づくから。

 

何故そんな大変そうなことするのとも聞かれるけど、大体その時は「その方が面白そうじゃないですか?」と答えている。

 

 

 

( 絵 / Midori Kambara )

 

 

 

 

 

水野晶仁 (みずの あきひと)

 

株式会社GEAR8代表取締役・ウェブディレクター

 

1977年札幌生まれ 

2008年にGear8 DESIGN創業、翌年株式会社Gear8設立。ウェブディレクションチームとして札幌を始め、バンコク・チェンマイ・福岡・台北で活動中。Spice up your lifeをコンセプトに企業のブランディングやマーケティングを手がける。現在は外国人旅行客向けに北海道のニッチな情報を提供する自社サービスとして「Trippino Hokkaido」を展開、「Beyond the trip/世界の誰かに会いに行く」をスローガンに旅行の次の形を探しながらメディアを運営している。趣味は鞄集め。

 

https://gggggggg.jp/

Share on Facebook
Share on Twitter
Please reload

EZOBITO TM 2017 All Rights Reserved. 

This website is supported by HOKKAIDO-OMIYAGE-TANKENTAI

http://www.rakuten.co.jp/hokkaido-omiyage/

​サイト内のすべてのイラストおよび文章の無断転用を禁止ず