やる気スウィッチ。

 

なんのCMか忘れたけれど、ある日登場したその言葉は、わたしやあなたの後ろめたさや、どこか他力本願な気持ちにフィットした。そして、そのスウィッチを一生かかってわたしは探し続けるのだ、チルチルミチルみたいに。なんて馬鹿げた幻想を抱いたのはわたしだけか。

自分で押せるものなら自分で押したい、誰かが押してくれるのならば押してほしい(そこまで他力本願か)もんだけれど、わたしは人のスウィッチがONになったのをこの目で見て、音も聞こえた(気がした)ことがある。

 

わたしは何年か前に、とあるカップルのプロポーズでの「サプライズ」というのを依頼された。友人の交際していた男性側からだった。その二人は、いろいろ話すと長くもないけど面倒くさいバックボーンでスタートした恋人同士だったのだが、わたしはその二人が出会った瞬間をよーーーく覚えている。

 

会った瞬間、わたしの友人が恋に落ちるスウィッチが入った音が聞こえた。スウィッチが入った人間の行動力というのはとてつもないパワーを充填し、目的に向かって迷うことなくフルスロットルでエンジンが始動する。

あれやこれは端折るけれど、いま現在彼らは夫婦となって中富良野町というラベンダーが咲き十勝連峰を遠くに望む小さな美しい町の小高い丘で「ノーザンスターロッジ」というとても素敵なロッジを営んでいる。ぜひググってみてほしい。「これぞ北海道のロッジ!」という光景が、あなたのスマホ(かPC)に展開される、期待は裏切らない。

 

話は戻って、依頼された「サプライズ」にわたしがどう答えたかというと、その男性に惚れ込んでいるわたしの友人がプロポーズを断るわけはないわけで、そのためのお祝いムービーを制作したのだ。当時世界中がファレル・ウィリアムスの「HAPPY」に合わせたムービーを作り、YouTubeにアップするのが流行していた。

 

プロポーズは1週間後、時間もスキルもあまりなかったが、これまた友人の幸せのためならば、仕事では絶対に入らないくらいの機動力をもったスウィッチが押ささり(北海道弁の受動態です)、出演者50有余名のムービーを作り終え、中富良野へ持参することができた。これまたぜひともググってほしい。YouTubeで「HAPPY」「NAKAFURANO」と検索すれば、その動画が出てくる。

 

もし、いまクサクサしたささくれだった気持ちになっている人は、ファレルのあの軽やかな歌声で少し肩の荷を降ろした気持ちになることをおすすめする。このムービーとロッジの魅力は、佐々木小世里さんというイラストレーターさんが出版した「キラリ!見つけ旅」という書籍を読んでいただけると、素晴らしい北海道の食や人を知りながらロッジのくだりを読むことができるので、買って読むといいですよ。

 

つまるところ、スウィッチは誰かと誰かが出会ったときに ONになるものだというのが、十分にいい大人になってしまったわたしなりの一つの答えだ。人の数だけドラマがあり、出会いの数だけスウィッチがある。“命短しスウィッチ押せよ乙女”である(青年もね)。

 

そんなこんなで、わたし自身の話などつまらないので終始友人のストーリーに頼ってしまったが、わたしがスウィッチを探す旅は続き、昨年ついに「株式会社スウィッチ」という会社を作ってしまった。スウィッチは売ってないけれど、わたしと会うことであなたの何かのスウィッチはONになるはずです。最後は宣伝になってしまった。興味があったらググってください。(笑)

 

✻ノーザンスターロッジ http://www.northernstarlodge.info/

 

 

 

 

( 絵 / Midori Kambara )

 

 

 

 

 

橋本亜矢(はしもと あや)

 

株式会社スウィッチ 代表取締役

 

旭川市生まれ、釧路市・留萌市育ち、札幌市在住。ふらふらと佳き会社を渡り歩き、現在は株式会社スウィッチ代表取締役(ディレクター・デザイナー)。「見えるもの、聞こえるものをよさげに」を社是とし毎日を面白くすることこの上なく。不定期に「サロン・ド・アヤコフスキー」を開催。音楽と赤ワインとコーヒーと猫とバウムクーヘンと米があればこの世はパラダイス。座右の銘は「猫の生活が第一」

 

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