皆さんは「おまつり」と聞いて何を連想されますか?

 

花火、祭り囃子、屋台の食べ物、金魚すくい、浴衣、盆踊り、御神輿、等を思い浮かべるかと思いますが、若い世代の皆さんは「神社」とは無関係の「フェスティバル」や「カーニバル」の様なイベントを連想される方も多いかと思います。

 

「おまつり(まつる)」という語句は「たてまつる」の意で、貴重な存在(神様)に御奉仕することを言います。たとえ、神職が独りでも神様への御奉仕を行えば「おまつり」として成立し、「神社」は「おまつり」の為の場となります。

 

又、「おまつり」には「祓い」の意味が込められております。我々、日本人は古来より「祓い清め」を大切にする信仰心の強い国民でしたが、最近は地域風土との接触が希釈化し、地域愛着が低下してきています。

 

「まちづくり運動」や「スポーツ振興活動」など、様々な方面から対策が練られていますが、町内会活動や神社仏閣との関わりは益々、薄くなってきています。

 

さて、そんな私も若い頃には町内会活動や神社奉仕には全く興味がありませんでした。「おまつり」との接点は幼少の頃の町内会の小さな「樽御輿」と「初詣」くらいだけでした。

 

そんな私が「神社」に御奉仕をするきっかけになったのは、当時、写真の被写体として「神輿」や担ぎ手を撮影していて、何度もシャッターを切っているうちに自分も担いでみたくなり、神社の奉仕団体に加入していた中学の同級生に話したところ、彼に「神社」に連れて行かれ、半ば、半強制的に白い半纏を着せられてしまいました。その奉仕団体が小樽総鎮守住吉神社の氏子青年会でした。

 

実際の神輿担ぎはシャッターを切っていた時と異なり、身体全体にずしりと重く、肩は大きく赤く腫上がり、足腰はパンパンの筋肉痛になり、「何の為にこんな思いまでして担ぐのか?」という疑問が出始めてきました。

 

そんなある日、神輿渡御(みこしとぎょ*注)の御奉仕で、街外れの特別養護老人ホームの玄関先に車いすで並んだ何人かのご老人が、涙を流しながら「神輿」に手を合わせる姿を見て、思わずもらい泣きし、御身体の問題で「神社」に参拝する事が出来ないお爺ちゃんやお婆ちゃんの為に自分が「神輿」を担ぐ大儀を見出しました。疑問は解決し、現在も変わらない気持ちで担いでいます。

 

 又、神輿渡御は神社御奉仕の中の極一部であり、他にも様々な「おまつり」(例大祭、秋季大祭、他)の御奉仕に関わっています。6年程前からは春の御田植祭(田植え)、秋の抜穂祭(稲刈り)、12月には新穀米奉納の為に伊勢神宮に全国の氏子青年会の皆様方と参拝しています。

 

現在、人口が12万人弱の小樽(ピーク時には20万人以上)には16もの神社があり、毎年、6月に9社、7月に5社の「おまつり(例大祭)」があります。

 

中心部に位置する「水天宮例大祭」「龍宮神社例大祭」「住吉神社例大祭(おたるまつり)」が小樽三大祭りと呼ばれ沢山の出店と市民が繰り出します。

 

小樽港を一望できて、石川啄木の歌碑、三ツ谷謡村の句碑、河邨文一郎の詩碑が設置されている「水天宮」、榎本武揚が隕石から作った「流星刀」が奉納された榎本武揚建立の「龍宮神社」、そして、明治から大正にかけて活躍した豪商、大家七平、廣海二三郎、野口吉次郎、名取高三郎、木村圓吉、板谷宮吉、遠藤又兵衛、山本久右衛門らが奉納した鳥居や灯籠や手水場、田中五呂八の句碑、松川嘉太郎翁之像、等が設置され、百貫神輿をはじめ、五基の宮神輿を泰安している小樽総鎮守「住吉神社」は特にオススメの神社です。

 

勿論、「おたる潮まつり」「小樽雪あかりの路」「にしん群来祭り」「小樽産しゃこ祭」などのイベントを楽しむものも良いですが、本来の「五穀豊穣」と「地域の安寧」を祈る「おまつり」や「神社」に接し、小樽の歴史的な見聞も高めて頂きたいと思っております。

 

私のこの拙いエッセイを読んで頂いて、一人でも多くの方々が日本人の心の故郷である神社を敬い、歴史を感じる小樽観光を楽しんで頂く事を願っております。

 

 

*注)神輿が氏子地域を練り歩くことで人々の安寧を祈念する重要な祭事

 

 

 

( 絵 / Midori Kambara )

 

 

 

湊 光行(みなと みつゆき)

 

ウェブデザインラボ「シーウィンド」主宰

 

1960年、小樽市富岡町生まれ。小樽桜陽高校から金沢工業大学電子工学科へ。29年間の医療機器商社勤務(営業~情報システム部門~インターネット関連部門)を経て、2014年、インターネット・システム関連事業の「シーウィンド」を設立。Googleストリートビュー認定フォトグラファー

2005年から「なまら旨い!北海道。」(ブログ)をスタートさせ継続中。

2001年から神社奉仕を始め、8年間の住吉神社氏子青年会幹事長を経て今春から会長に就任。アウトドア、料理好き。日本酒党のオリーブオイルジュニアソムリエ。

 

※ 平成30年に小樽総鎮守住吉神社は鎮座百五十年を迎えます

 

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