いつもいつも次の季節が来るときに北海道が愛しくなる

 

 札幌にはしじゅう白いものが舞っている、といっていたのはどの作家であっただろうか。初夏にはポプラの種子が舞い、秋には雪虫が舞い、そして長い冬には羽根のようにあるいは粉のように雪が舞う。

 

函館の曇り空を冠したミュージシャンのグループがある。

早送りの映像をみるように次から次へ変わる函館の空模様。風向き。陽射し。影。

 

私は函館に生まれ、高校時代までを過ごし、短大から24年間を札幌で過ごした。

高齢の両親の介護のためにまた故郷へ帰り、いま函館で暮らしている。

 

北海道以外に住んだことはない。しかし、カラーやドラッカーの講座講演をするために全国を駆け回って暮らしている。

 

「北海道に憧れていたんです。いつか行ってみたいです」

「素晴らしい自然の景色を堪能したいです」

「北の味覚は美味しいでしょうね」

 

いつも全国の受講生の皆さんにそのような賛辞をいただく。

 

「ぜひお越しください、飛行機でひとっ飛びですよ。羽田―千歳間はとてもたくさんの飛行機が飛んでいるのです」

「四季折々に美しいですが、カラッと抜けるような夏の空、しんと静粛な冬の道などはぜひ味わってほしいです」

「北海道のものは何もかも美味しいのですよ」

 

そのようにいつも返す。

 

個性的な彼氏を賛美されて惚気(のろけ)るかの如く、空気を読まずにわざと自慢する。

誉めてくれた誰もが来てくれるわけではない。果て遠い夢の土地なのかもしれない。

けれども住む私たちにとってはこれが現実である。

気温のあがらない夏も、雪に悩ませられる冬も、愛しくてしかたがない大切な北海道の表情のひとつである。

 

北海道の四季の色彩を、私はとにかく愛している。

 

私はもっとも幸せを感じるのは、長い北海道の冬に終わりが訪れ、春の匂いがしてくるころである。

デパートのショーウィンドーに、居酒屋のメニューに、朝起きた時の陽射しのきらめきに、それはゆっくり静かに訪れる。

 

季節を感じる瞬間に、ああ私は道産子なのだとなぜか思う。

 

 

(イラスト / Midori Kambara )

 

 

 

吉田麻子(よしだ あさこ)

 

株式会社カラーディア代表取締役

カラーコーディネイター、作家

 

函館市出身。カラーやドラッカーでセルフマネジメントを提案する講座、講演を全国で実施。著書に「7色のすごいチカラ!」「実践する色彩学」(エイチエス)、昨年発行の小説「人生を変えるドラッカー」(ダイヤモンド社)がある。

 

 

 

 

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