北海道への憧れは、小さい頃からだった。

 

その理由の一つとして、鉄鋼の仕事をしていた祖父が北海道の室蘭に仕事に行った時に買ってきてくれた、北海道の写真集がある。大雪の山々や馬、牛の放牧風景など、大自然満喫のものである。非日常的な風景を見ているうちに惹かれていき、当時小学生4年生くらいからかアニメ「アルプスの少女ハイジ」を見て、さらに自然に対しての思いが強くなっていった。また、追い打ちをかけるように、たまたまテレビで北海道の酪農家の生活が映し出され、収入などもリアルな話もあり、小学生ながら「おーっ、すげぇ・・」と思った記憶がある。

 

中学、高校とまた違った進路に興味を持ちながらも、最終的には畜産への道を進んでいた。しかし、畜産も日本中にあり、もちろん九州にもあるわけだが、やはり北海道という大地を求め大学を受験した。晴れて十勝にある帯広畜産大学に入学。小さい頃からの夢への、第一歩を踏み込むことができたのである。

 

環境にはすぐに慣れたが、もちろん授業が優先であるわけで、どこに行くわけもなくアルバイトをする日々が始まったのだ。そのお金で先輩たちの影響からバイクを買うことを決め、親に内緒で免許を取りバイクを購入した。そして、そのバイクで北海道旅行をしたのである。

 

ほぼぐるりと外周を1周し、写真集で記憶があるような景色を実際に見ることができ、嬉しい気持ちと先輩たちと行って楽しかった気持ちで、最高の旅行だったのではないだろうか。その後も行ったことのない場所へ行ったりして北海道の自然を満喫した。

 

そんな大学生活も終わりに近づき、社会に出なければいけない現実があり、それから逃げるような気持からか、大学の聴講生として1年残ることにした。さぞかし親は、困ったものだと思っていたであろう。その3か月後、ある会社が、大学3年生から羊の繁殖学を学んでいた自分に、新しく羊の牧場を始めるから従業員を探しに研究室に会いに来てくれたのだ。

 

これが自分の今の人生の始まりだった。

 

楽しそうなことにはついていく安易な学生だったのであろうか、快く入社することができた。牧場づくり、輸入検疫、今までに経験したことのないことばかり。しかも、帯広から車で40分くらいのところにある、池田町という町。その中でも山の麓に土地があり、北海道という景色を毎日見ることができる最高の場所だ。

 

60頭から始まった牧場も、今は1000頭を超え、日本でも有数の牧場となった。29年目になるが、いろんな大変さや苦労があった。しかし、これを耐えることができたのは、先代の社長のご指導であり、地域の人達、家族の協力、そして、この北海道の大自然の景色のおかげである。

 

四季がはっきりしていて、季節ごとに景色が変わっていく。それを毎日見ていると、心が洗われる気持ちである。自分の人生で、北海道を選んだことは間違っていなかったと断言できる。

 

またこれから20~30年、この地と共に生きることを約束して・・・。

 

 

(イラスト/ Midori Kambara )

 

 

 

安西 浩(あんざい ひろし)

 

1967.2.16生まれ 中川郡池田町在住

株式会社ボーヤ・ファーム 代表取締役

 

福岡県北九州市出身、18歳で帯広畜産大学に入学。卒業後、池田町にあるボーヤ・ファームに入社。現在に至る。羊肉生産、牧場拡大の為、山の開墾作業に日々追われる。働く牧羊犬達への理解を求めシープドッグショーを10年前から開催。現在、入場者数、年間約1万人。妻、三人の娘の父、一人の孫娘の祖父。

 

⇒ ボーヤ・ファーム公式Facebookページ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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