北海道の田舎町の夕暮れが好きだ。特に夏の夕暮れが好きだ。

 

当別から新十津川に向う275号線沿いの、寂れた田舎町の目抜き通り。富良野から旭川に向かう国道沿いの、だだっ広いけど寂れた商店街。暑い昼が過ぎて急に寒々しくなり、思わずジャンパーを羽織る夕暮れ。昼間の空が青いときほど真ピンク色になる、夕暮れ時の空。ここにお盆時期だと、「♪チャチャンコ、チャ~ンコチャンコ、チャチャンコチャ~ン、手拍子揃えて、チャチャンコ・チャ~ン♪」という音色が聞こえてくる。

 

 

私は、「故郷で暮らすほうが良いに決まっているのがわかっているのに動けない人」に故郷への転職を実現してあげる仕事をしている。つまり、道産子のUターン転職の相談にのるのがビジネスだ。

 

人は、生まれてから高校や大学を卒業するまでを故郷で過ごす。やがて社会人になり、初めて故郷を離れる。そして、故郷が好きな自分に初めて気づく。

 

21歳で仙台に異動したときに、生まれ育った札幌が大好きであることに気づいた。

人口が200万人の大都市、かつてはオリンピックが開かれた街。3系統もある地下鉄は、静粛性を追求したゴムタイヤを履いていて、市民の自慢。札幌テレビ塔からの大通公園で、子どもの頃はとうもろこしを頬張り、西3丁目の北海道拓殖銀行の本店は、大理石張りの豪奢な造りだった。旭山公園から見る札幌は、圧倒的な広さとビル群があり、発展する青年都市だった。

 

その後、39歳で札幌に戻ってきて、起業した。

 

北海道を離れていたときは、帰省のたびに地ビールを飲みに行ったり、ニセコにドライブに行ったり、余市にウイスキーを買いに行ったり、久しぶりの故郷を満喫した。でも、戻ってからは日常に埋もれ、それほど故郷をエンジョイしなくなっている自分がいた。最近の自分はもっとひどくて、海外出張を増やして、北海道そして札幌を楽しむことがめっきり少なくなっている。

 

何のためにUターンしたのか。もっと故郷のために仕事をして、故郷で仕事をできる喜びを噛み締めないと、と思う。

 

雪が解けてようやく走れるようになって、手がかじかむ中、豊平川の河川敷をロードバイクで疾走する楽しみを、もっとやらねばと思う。まだしていないタイヤ交換をして、真狩の水汲み場に行き、おいしい豆腐を買いたい。残雪の羊蹄山と寒い風と春の陽気、ところどころに芽吹く花や木々の緑を楽しみに行こう。

 

 

そして大好きな田舎の夕暮れ時をうんと味わうのだ。

 

 

 

(イラスト/ Midori Kambara )

 

 

 

 

高岡幸生(たかおかゆきお)

 

札幌市在住

全国20都道府県へのUIターン事業の株式会社リージョナルスタイル代表取締役

ヘッドハンティング・人材紹介のリージョンズ株式会社代表取締役

 

1967年北海道札幌市生まれ。

1991年北海道大学法学部卒後、株式会社リクルート入社。2008年、Uターンして、UIターン転職をサポートするリージョンズ株式会社を起業。毎年100人の転職を支援、うち50%がUターン。

2016年からロードバイクにはまり、毎朝豊平川を疾走している(と思っている)。

好きなものは、生ハムと赤ワイン、めざしと日本酒、徳川家康、事業の海外展開を目指し英語を学習中。

 

⇒ リージョンズ株式会社 オフィシャルサイト

 

 

 

 

 

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