わけあう



武田麻裕(たけだ まゆ)


白老出身。札幌市在住。

アメリカやイギリスにて語学や文化に触れた後札幌にて販売の仕事に携わる。

休日は白老(しらおい)町の牧場と焼肉店の仕事を手伝いながら、札幌と白老の間を行き来している。









私の幼少期は、近年放映されたドラマ「なつぞら」(NHK)の主人公「なつ」にかなり近い。


私の実家は畜産農家で、祖父が牛を育て、母弟夫婦が肉屋を経営している。

友達が私を訪ねてくれた時など、自ら北海道のガイドとなり、実家の牧場に連れていき、焼肉を食べるのがお決まりのコース。


誰かが、白老に行くという話を耳にした際も「うち肉屋だから食べに行ってね」と必ず紹介している。

ただ、私が自身の実家の事を人に話すようになったのは20歳を過ぎてから。

それまでは商売をしてる事自体私は認める事が出来ず、普通の会社員の家庭に生まれたかったなと何度恨んだことか、、。


そんな幼少期の頃の記憶は鮮明にあって、今でも普通の家庭に生まれていたとしたら、どんな人生だったかをたまに妄想する。


動物の命をいただいて生活していること。

そしてそれは、罪悪感と恐怖心。

いつか牧場が潰れて夜逃げをするかもしれないから。

理由はたくさんある。


早く地元を出たかった私は18歳で札幌へ。

おそらく価値観が少し変わり、家業を理解し始めたのはおそらく20歳。

アメリカ留学後。

そこから、親の仕事の手伝いを数ヶ月した事で、家業の過酷さと、親、祖父の妥協のない仕事ぶりを目にし、だから家族は毎日ごはんを食べ生活出来ているのだということを自覚した。


そして今、私は他業種に就き、弟が家業を継いでいる。


休日や年末時など、やれる範囲で札幌から手伝いに行き、札幌ー白老の往復生活を10年以上続けている。






94歳の祖父は今も仕事を続けており、休むことを知らない。

彼の人生訓は「おいしいものは、みんなでわけあう」。

貧しい暮らしではあったが、困っている人がいればみんなで助け合って生きてきた。

そういう社会で育ったから体に染み付いているのだ。


この祖父の強い思いは、固い根のようだ。

おいしいもの作ってみんなに食べてもらいたいという、その熱意と探究心が彼を生かしているんだと感じている。


私はこれからの人生、この精神を引き継いでいこうと決めている。


食べること=生きること


動物犠牲があって生かされてる。

これに関しては、未だに向き合うことはできていない。

肉と言うことだけに焦点を当てると、完全菜食主義者ではないので、お肉を食べる生活をこれからも継続する中で、「いただきます」の意味を考えて食事をするようにしている。


感謝をすること。当たり前のことだけれど、常に忘れず自分なりに向き合っている。


私達、家族全員で感じて大事にしている事。

それは、丹精込めて世話をし育てたから。


「わけあいたい」をみんなに知ってもらいたい、と強く思う。

美味しい物を食べると幸せだ。

周りの人にもやさしくなれるはず、、。

そんな連鎖が継続しますように。


是非うちの実家でお肉食べてみてください。




<焼肉レストラン 牛の里>

北海道白老郡白老町栄町1丁目6番13号(道央道白老IC出口より車で約5分)

電話番号/0144-82-5357

レストラン/AM11:00~PM7:30

売店/AM10:00~PM7:30

定休日/火曜日(祝日は除く)

http://ushinosato.com/


*駐車場は店舗横に13台、他2か所ご用意しております





( 絵 / Midori Kambara )



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