

Barry Ratzliff (バリー・ラッツリフ)
北海道インターナショナルスクール 校長
1968年エチオピア生まれ。カナダ、ブリティッシュコロンビア州ダンカン市育ち。
1991年、英会話の講師として来日。1993年に転勤で新札幌に赴任。1995年に会社の同僚(甲賀 芳<かおり>)と結婚。二人とも退職後、後回しにしていた世界一周の新婚旅行を実現し、その後Little Tree English Schoolを1997年に創業。
1998年に北海道インターナショナルスクールで英語サポートの教員として教師の仕事をスタート。
修士号をミシガン州立大学で勉強し、中学部で歴史の教師の仕事もし、北海道インターナショナルスクールの副校長を経て、2011年に同校校長に就任。
北海道を初めて訪れたのは28年前の事です。
当時青森県の八戸市に住んでいた私は、札幌で行われる会社の会議に参加しにきました。札幌の第一印象はものすごくよく、素晴らしい街だと思いました。
札幌は私の出身地のカナダの面影があり、いつかは住んでみたいと思いました。
札幌で行われていた会議から2年後、会社の転勤で憧れていた札幌に住む事が出来ました。
北海道に移り住み間もなく休みをとって、北海道一周旅行に出かけました。
キャンプをしながら、温泉巡り、観光名所、各地のおいしい食べ物を堪能しました。何よりも大地の自然が美しかったです。
特に好きな場所はサロマ湖、知床半島と屈斜路湖。今でも特に印象的なのは屈斜路湖にある和琴(わこと)半島。湖に囲まれて、温泉、キャンプ場、きれいな山道もあり、とても楽しく過ごせる場所で、自然に癒やされました。
北海道に住みはじめてから8年がたち、1998年に北海道インタナショナルスクールで教師として働き始めました。
生徒と一緒に北海道の大自然に出る機会が多くなり、登山、キャンプ、スキーなどの部活動が学校の教育方針にとても大切でした。
2011年に北海道インターナショナルスクール校長になって、学校での野外活動を考え直す必要があると思いました。
教育委員会と中高等部の先生たちと話し合った結果、Outdoor Education(アウトドア部)は放課後の部活動だけではなく、学校の授業の一つとして導入することにしました。

Outdoor Education Program (アウトドアプログラム)を二つの科目に分けて、リーダーシップを勉強しながら自然の大事さ、素晴らしさ、サバイバルノウハウなど細かい勉強に取り組みました。
Outdoor Education Program により、多くの大学が期待するリーダーシップを、北海道の大地とともに生徒が学べる環境を作ることができました。
Outdoor Education Program を導入してからたくさんの生徒が野外遠足をリードできるようになり、一昨年私も冬のキャンプに参加しました。
スノーシュー(かんじき)を履いて、バックパックを背負い、荷物でいっぱいのそりを引っぱりながらカルデアのオコタンペ湖にソリで滑り降り、終点につきました。雪の毛布が掛かった湖の反対側湖畔にテントを張り、一晩をすごしました。
晩食後、夜空を見上げるときれいな満月と数え切れないほどの星をみて、北海道の大自然の素晴らしさを新たに感じることができました。
( 絵 / Midori Kambara )