好き、フロンティア・スピリット


孫田二規子(まごた ふみこ)

フリーライター

1972年札幌生まれの札幌育ち。1999年からフリーライターをしている。 数年後に迫る50代をどう生きようか。そんなことをつらつらと考えていたら(趣味なので)、このような原稿になりました。





先日、仙台に行った時に、大学の同級生と超久しぶりに会った。学生時代から変わらぬ彼の趣味は「人間観察」、私の趣味は「人生」。少し〝はみだして〟いたふたりは、サブカル気質も手伝い、人生哲学めいたことを深めて広げて延々とおしゃべりができた親友だ。

そんな仲なので、時空のブランクなどなんのその。初っぱなから会話がはずむ。途中、めずらしく、「国内の好きな空港は?」という現実的な話題になった。お互い、出張がある身なのだ。すっかり大人になったよね。

「大分空港のレストランは…」「関空のエスカレーターは…」「南紀白浜空港、行ってみたい!」。そんな風にひと通り盛り上がったあとでふと、「でもいちばんは、新千歳空港だね」という結論に至った。満場一致だ(ふたりだけど)。

彼は「新千歳空港は施設が充実しているし、並んでいる土産品もみんなイケている。そもそも北海道はPR力が…(彼なりの分析が続くので省略)」と言った。

一方、私にとって新千歳空港は、北海道のおいしいやきれいや癒しや楽しいがギューッと詰まった、テーマパークのようなイメージ。最近は搭乗待合室にも店が増えているので、わざわざ早めに行って、買い物や食事を楽しんでいる。

あ、いま思いついたのだけど、「新千歳空港お楽しみ徹底ガイド!」的な冊子をつくったら、喜ぶひと、いるんじゃね?

そもそも私は空港が好きなのだ。空港というものが持つ、大空に未見の地に飛び立とうとするワクワク感とか夢とか希望とか、うまく説明できないけどそういう性質のものが、自分の心の波長ととても合う。

まだ誰もやっていないサービスを開発したり、新たな事業を起こしたり、付加価値の高い新商品をつくったり。こういうのも、好き。自由と創造。

このマインドってもしかして、この地に伝わるフロンティア・スピリットに通じるものなのでは? 今年は北海道命名150年の年なものだから、明治時代のことを記事にする機会に恵まれ、勉強しているうちにはたと気がついた。

明治期の札幌には新しい社会が築かれ、たくさんの仕事や物が生み出された。あの時代には、未来を切り拓いていこうという情熱や、それに伴う高鳴る心や喜びといった、フロンティア・スピリットと呼べる精神が確かにあったと思う。

その証拠に明治期の代表的な建物は、天井がやたら高かったり、階段や扉のサイズが異様に大きかったり、意匠に凝りに凝ったりしている。 気持ちがしぼんでいたら、そうはならない。私は見るたびに、当時の人々の意気込みや誇りのようなものを感じる。

やっぱりいいね。好き、フロンティア・スピリット。これからもその精神を持って、世のため人のためにと日々の凡事を徹底していけたらいいな。そしてそれが(ささやかながらも)、誰かの幸せに繫がったなら、もっといいよね。

( 絵 / Midori Kambara )

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#新千歳空港

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