

仲山進也(なかやま しんや)
楽天株式会社 楽天大学学長
仲山考材株式会社 代表取締役
1973 年北海道生まれ。慶応義塾大学法学部法律学科卒業。シャープ株式会社を経て、1999 年に社員約 20 名の楽天株式会社へ移籍。2000 年に「楽天大学」 を設立、楽天市場出店者 39,000 社をはじめ、全国の中小企業の成長パートナーとして活動中。
チームビルディングファシリテーターの長尾彰氏と共同開発した「楽天大学チームビルディングプログラム」は、ネット/リアルを問わず、企業経営に劇的な進化を生み出すとの定評があり、2012年12月現在、第12期まで開催されている。
2004年、Jリーグ「ヴィッセル神戸」の経営に参画。
2007年に楽天で唯一のフェロー風正社員となり、2008年には仲山考材株式会社を設立。広く「人とチームの成長法則」の伝道に注力している。
東京在住の人が、旭川空港から市街へ向かう車内でこう叫びました。
「なにこの景色、すごい!」
運転していた旭川在住の人が言いました。
「なんもないしょ~。なにがすごいの?」
だだっ広い雪原を見て、道外の人は感動し、道内の人は何もなくて申し訳ないと思う。
このやり取りを見て、「自分の強みは自分が一番気づいていない」ということを改めて認識しました。特に「ないことの強み」というのは気づきにくい。
私自身、北海道を出て東京で暮らし始めてから初めて気づいた「ないことの強み」がたくさんあります。
パッと思いつくだけでも、北海道には、
・梅雨がない
・台風こない
・地震少ない
・高温多湿すぎる夏がない
・ゴキブリいない
・スギ花粉ない
・満員電車に乗る必要がない
・冬の居間の寒さがない
などなど、東京の人が「え? ないの!? うらやましすぎる!」と思う強みだらけです。
「自然があるよ」というのは、どこの県でも同じことを言えます。でも、「梅雨がないよ」というのは北海道くらいしか言えません。
「なんもないしょ」を「ないことの強み」に変換させていくことができると、北海道の魅力はさらに伝わりやすくなるかもしれません。
(イラスト / Midori Kambara )