

小六真千子(ころく まちこ)
1965年札幌生まれ札幌育ち
札幌北陵高等学校出身
札幌市立高等看護学院卒業後
市立札幌病院に看護師として勤務
その後子育て期間を得て札幌市内等の重症心身障害児者施設で勤務
現在、笹川保健財団在宅看護センター起業家育成事業研修受講中
来年度札幌市内で訪問看護ステーションを開設予定
私はかれこれ半世紀を札幌で暮らしています。
それは単に札幌以外に出る機会がなかったからでした。
学校を卒業してから、やっている仕事は一つ、看護師のみ。
気がつけば30年以上札幌で働いています。
病院や施設での経験を得て、これから私が選ぶフィールドは、「地域」在宅看護です。
来年訪問看護ステーションを開設するため現在起業準備中であります。
そして今年、その準備に向けた研修のために、人生初の札幌以外の土地での短期一人暮らしを経験しました。
そこであらためて、私は札幌に住む「人」のために看護師であり続けたい、やっぱり札幌が一番好きだ! と感じてしまいました。
それはなぜなのか?
札幌は、高齢者にも障がいのある方にも厄介な季節があります。それは「冬」です。
今回、和歌山、東京での暮らしを体験して、確かに「雪のない暮らし」が住みやすい条件の一つになると感じました。
和歌山の訪問看護ステーション勤務では、訪問するご家庭の方達から、「札幌は、良いところだけど雪がね~、冬は大変だよね~」を合言葉のようにいただきました。
そこで、私は改めて本当に雪は大変なだけか? 冬は嫌な季節か? と考える機会を得たのです。
確かに、歩きにくいし、寒いし、くらい気持ちにもなります。
でも、冬じゃないと味わえない楽しみもあるのです。
冬の日常は白い世界の中で色のあるものを探すのが楽しい、私は雪が積もった中で真っ赤ななかまどの実を見つけると美しさに見とれて、ほっこり幸せな気持ちになります。
雪があるから土地が豊かになり、豊かな作物が取れる。雪があるからできるスポーツもある。
そして何よりも、札幌の街は、雪があるから生まれる人とのコミュニケーションがあります。

雪のたくさん降った日、ゲンナリするけど、雪かきに家の外に出ると、隣近所の方達と朝の挨拶「おはようございます。降りましたね」、雪の日の合言葉です。
そして向かいの家のおばあちゃんを心配して、「これでは家から出てこられないよ」ちょっと歩く道でもつけてくるかと協働除雪作業開始。
隣近所を心配できるのも雪があるからです。
お互いの生活を気にできる、気にしあえる文化が自然に生まれる街、札幌!素敵じゃないか!
そうでした私は、おせっかいな看護師でした!
地域の方達が冬を元気に乗り切る方法をこれから考えることにしよう。
冬が寂しくならないように、人々の暮らしを明るく支えていこう。
そして一緒に春をワクワクしながら待てば良い。
雪が溶けたら、何をしよう。いや、雪があっても、私がお手伝いしてきらきら光る雪の中の小さな幸せを探しにいけます。
今年ももうすぐ冬がやってきます。
雪の中で、ひときわ映える真っ赤な「ななかまどの実」を誰かと一緒に探しに行かなくちゃ。
暖かい格好で、大好きな街札幌に!
起業後は皆様、お気軽にお声掛けください。
どうぞよろしくお願いいたします。
( 絵 / Midori Kambara )