北海道を飲む、北海道に酔う。



関 ひとみ(せき ひとみ)


北海道札幌市生まれ、札幌市在住。

フリーランスのコピーライターとして活動。


好きなこと/旅に出かけること、食べること、お酒を飲むこと、笑うこと、芸術に触れること、人の身の上話を聞くこと、心地よい音楽に浸ること。





 


旅に出かけると、たいてい「どこから来たの?」と尋ねられる。


「北海道です」と答えると、

以前は「おいしい海産物が食べられていいね」と返されたものだけど、

最近では、「おいしい(北海道の)ワインが飲めていいなぁ!」と

言われることが増えたように思う(私が酒場ばかり行くからかもしれないが)。

酒場の店主や、ワインのインポーターといったその道のプロから羨ましがられると

自分で造ったわけでもないのに、すごく誇らしい気持ちになる。


─北海道のワイン用ぶどうの生産者の皆さん、

ワイナリーの皆さん、ありがとうございます!(笑)─。


北海道では今、

ワイン用のぶどう畑はもちろん、自らの手でぶどうを生産し、

醸造まで行う小規模ワイナリーが続々と増えている

(ちなみに、北海道では日本酒の酒蔵も増加している)。


増えているのは数だけではない。

“自然派”と呼ばれる、手間ひまのかかる育て方、酒造りの手法を選び

その上おいしいという、質にこだわったワインが増えているのだ

(けれども少量しか生産できないため、道外ではなかなか手に入らないそうだ)。







2020年、2021年は、

飲食店でアルコールも飲めず、ワインイベントも軒並み中止……。


酒好き、酒場好きの身として、鬱々とした日々を過ごす中で

一度、リモートでのワイナリーツアーに参加したことがある。

初めてのリモートツアーに選んだのは、余市にあるワイナリー。

イタリア人の醸造長さんの案内で施設を見学し、

気軽に質問しながら、リリース前のワインを飲めるという

想像以上に素敵なプログラムだった。


けれども札幌からそう遠くない距離なのに、実際に見に行くことすらできない。

画面に向かって、一人で乾杯するという現実を、

ポジティブに受け入れることは難しかったように思う。


モニターに映し出されたぶどう畑は、とても美しかった。

少しずつ日常が戻ってきているけれど、まだ現地には行けていない。


北海道の味覚で、心がほぐれるようなおいしいものはいくつもあるけれど

ワインは、旅の気分にぴったり合う飲み物だと思う。

ワインツーリズムという言葉もある。

北海道のワインと旅をマジメに楽しもうと思うと、

最低でも1週間は必要かもしれない(本当はもっとかかる)。


「地域(北海道)」と「ワイン(酒)」と「人」を

もっと近づけて、価値を生み出すようなコミュニケーションが

北海道の中から、どんどん生まれるといいと思う。


関係者の自己満足で終わるようなものではなく、

一過性で終わるような設計ではなく、

ネームバリューのある道外の人を頼るのではなく、

北海道の人間の力で、北海道でしかできないクリエーションを。


旅行通でも、ワイン通でもないけれど、

いつか、そんな仕事がしてみたい。




( 絵 / Midori Kambara )




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