北海道の大らかな人々が育んだ自由な結婚式



近藤養造(こんどう ようぞう)


創和プロジェクト株式会社 会長


昭和23年 岩見沢市で誕生

昭和49年 北海学園大学卒業

昭和61年 創和プロジェクト株式会社設立

     同社代表取締役就任

     ウエディングドレスショップ グランマニエ

     結婚式場 ローズガーデン クライスト 教会 ジャルダン・ドゥ・ボヌール

          ピエトラ セレーナなどを運営

平成31年 同社代表取締役退任

     同社会長就任

     現在に至る





私は昔から常識という言葉が好きではありません。

「なぜそうしなければいけないか?」

との問いに「それは常識でしょ」と答えるのは、なにか大人の怠慢を感じるのです。

どんなルールも考え方も、時代により人により変わるものだと思うから、「常識」という言葉で答えを出すことは避けた方が良いと思ってきました。


息子が中学生の頃、ボンタンを履いて学校で怒られた時に何故それがいけないのかを私自身が理解できなかったから、子供を叱ることはできませんでした。

むしろ「個性的で良いのになぁ」と思ったくらいです。

生徒が皆んな同じ服を着て整列しているのを見ると、なんだか軍隊みたいで心地よくありませんでした。




30年ほど前から結婚式の仕事に携わる様になると、その想いはますます強くなっていきました。

当時はまだ結婚式の主催者は発起人であり、仲人を立てるのが常識でした。

でも実際には結婚するお二人やご両親が会場を探し全ての準備をしてる、仲人も形ばかりで意味が無いのに儀礼的な挨拶をする。

どちらもやめた方が良いと思ったから、私が作った結婚式場では、最初からお二人にその様に話しました。


勿論、自分達の考えがあってそれをやりたいと思っているのなら良いのですが、話してみるとほぼ全員の方が「それは結婚式での常識だからやるしか無い」と思っていただけでした。

結果、私どもの会場では、発起人も仲人も天然記念物の様に貴重で珍しい存在になっていきました。


「披露宴のスタートはどんなシーンから始まると思いますか?」

私どもの会場を検討する為にご来店されたお二人に、良くさせて頂く質問です。

多くの方は「新郎新婦の入場ですか」とお答えになります。

そこで「そうですね。いつも新郎新婦の入場から始まりますがどうしてだと思いますか?」と聞くと、答えられない方がほとんどです。

「新郎新婦の入場より、もっとお二人らしいパーティのスタートや、ゲストの皆さんが大喜びする様なスタートの方法は沢山あると思うんです。それをお二人とゼロから考えていきませんか」とお話しすると、皆さん目を輝かせて頂けます。


それはパーティのスタートに限らず、来賓挨拶や乾杯、ケーキカットやご両親への花束贈呈など全てのシーンも同じことです。

お開きで乾杯や万歳三唱をしなくても、もっとお二人にとって、ご両親やゲストにとって、一生心に残るエンディングはいくらでもあると思います。


常識、既成概念で溢れていた結婚式というイベントを「何の為にするのか、誰の為にするのか」という根っこの所だけを大切に考えてアイデアを出し合えば、100組の結婚式には100通りのストーリーが生まれるのです。





私どもの4つの結婚式場では毎年約1000組の結婚式をやって来ましたから、すでに参列者として何回も参加しているという方も多くいらっしゃいますが、「オタクの結婚式に呼ばれるのが楽しみです」と言って頂く方がとても多いのは、結婚式の常識に囚われない私どもの取り組みが功を奏しているのかなと自負しています。

そして、それを大らかに受け入れてきて頂いた北海道の人達の気質が、日本中の何処にもない新しい結婚式の形を作ってきたのだと思います。


又、地元の人だけではなく、自由で大らかな風土の北海道で結婚式を挙げたいというカップルも多く、広く日本中から、さらにはアジア諸国からも沢山のカップルやご家族が、弊社のローズガーデンクライスト教会を訪れてくれました。


札幌市内が一望できるその教会は、北海道ならではの景色や気候風土だけではなく、そこに住む人々の大らかで自由な精神が築いてきた新しい結婚式の魅力が、多くの人達を惹きつけて止まないのだと思います。




( 絵 / Midori Kambara )




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