北海道とバイク、まっすぐな道



武内琢哉(たけうち たくや)


1967年 北海道旭川市生まれ

1994年創刊の「北海道じゃらん」創刊メンバー。

現在は、某国立大学法人に勤務。


好きなこと:バイク、キャンプ、東南アジア旅、居酒屋めぐり






 


北海道で生まれ育って50年以上になる。北海道のことは好きだ。


だが、改めて「北海道のどこが好き?」と聞かれると、ちと困ってしまう。

いろんなことが当たり前になっていることに気がつく。

「海鮮が美味い」「野菜の瑞々しさ!」といった事にも、特にありがたさを感じなくなっているなぁ。


そんな北海道で、バイクに乗って35年。


北海道はバイク乗りにとって、はっきり言って効率が悪い。無駄の塊と言っていいくらいだ(笑)。

そもそも冬には乗れないし、自分の場合は5月から10月初旬までが、ぎりぎりオンシーズン。

乗るぞ!と意気込んだ休日が雨なら乗らない。人も運べないし、買い物には不向きだ。

要するに、用事が足せない。そして、車検もある。

だが、飽きもせず乗っている。


なぜなのか考えると、北海道の道をバイクで走ることが好きなんだ、と改めて気がついた。


目の前に視界を遮る物がない。だだっ広い自分だけの風景がある。

できれば交通量と信号が少ないと、なお良い。そして、そんな素晴らしい道がたくさんある北海道!





好きな道で真っ先に思い浮かぶのは、道道106号。道北の天塩町と稚内市を結ぶ海岸線だ。

稚内へ向かう右手には、風力発電の風車が規則正しく並び、左手には日本海、遠くに利尻富士が勇ましくそびえる。約70㎞の間に信号が1カ所しかないなんて!

タイミングが良ければ、一度も停まらずに70㎞走れる道なんて他にあるだろうか?


もうひとつも道北、猿払村の通称「エサヌカ線」である。

この道の存在を知ったのは、実は昨年のこと。約11㎞と距離は短いが、牧草地を貫く1本道には人工物が無く、目の前には広い空とオホーツク海だけ。道と空が混ざり合う不思議な感覚になる。

もっと早く知っていたかった。





忘れてはならない道は他にもある。


上士幌町と上川町を結ぶ三国峠は、標高1139m。北海道で最も高い峠だ。

上士幌町側の白樺林が、いかにも北海道な風景で、北海道遺産のタウシュベツ川橋梁もある。

標茶町の国道391号。塘路湖とシラルトロ湖が左右に現れる辺りは、釧路湿原の雰囲気を国道から感じられる。

真狩村の道道97号。行く手を阻むような羊蹄山が大迫力。

斜里町の知床国道334号から眺めるオホーツク海も雄大だ。


もう、キリがないですね。


バッテリーを充電して、シーズンに備えよう。

今年もたくさん出かけて、まだ知らない道を走ろう。




( 絵 / Midori Kambara )




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