不完全性の魅力



泉 研(いずみ けん)


株式会社宝石の玉屋 代表取締役


札幌市在住

1967年 川崎市生まれ

大学卒業後 経営コンサルタント会社(株)船井総合研究所に入社

結婚を機に妻の祖父の創業した田中貴金属特約店(株)宝石の玉屋に入社

2009年に代表取締役に就任、現在に至る

3人男子の父


宝石の玉屋公式サイト https://www.houseki-no-tamaya.co.jp





 



2022年への年越しを、20年ぶりの古都金沢で迎えた。


言わずとしれた歴史ある街並。

短いお正月休み、2年前大学生になった長男の一人暮らしぶりを家族で訪ねようと、コロナ禍であり、大雪の予報の中、恐る恐るの旅である。


金沢は、両親の住む山梨県甲府市同様、城を中心に街が広がっている。

甲府と金沢の違いは、華やかさ。

金箔、器、和菓子文化的な香りが、行く先々で、目に入る。


力のあった城主の性格の違いなのか、北前船の要所であり、人が行き交う今でいうターミナルに文化が育つのかは、その道の専門家にお任せするが、同じ歴史ある街でこうも違うのかと感じることも、旅の楽しみの一つ。


東京から北海道に移り住んだころ、しきりに、「北海道は歴史的蓄積がない」と、先輩方が口にしていたことを思いだす。

歴史があるのと魅力的かどうかは別のお話だと思う。







立場上、宝石の魅力とは? みたいな話をしたり聞いたり論じたりする機会がある。

美しさ、稀少性、耐久性を兼ね備えて初めて宝石と定義していたりする。


一方で、自然の中で形成された宝石に、キズ一つない完璧なものはない。

完璧にならないのが、自然であり、であるから完璧に近いものを人は、追い求めるのだと。


不完全性が、宝石の魅力だと言い切る業界の師の一人もいる。


もう一つ、金(ゴールド)を資産として扱っているが、いわゆる純金を世界的な基準では、99.99「フォーナイン」と呼び、インゴット本体に刻印される。

宝石と同じ限りなく完璧に近いが、100%と表現しないところに私には魅力と言うか、謙虚さを感じずにいられない。


剣道、華道など、道を極めている方々からも、「ゴールなき道を探求することに生涯をかけてしまう」的なお話を伺うことが多い。


赤ちゃんや若者が魅力的に見える(実際可愛いが)のも、未来があり、良い意味で未熟であり伸びしろを感じるからではないか?

 

日常何も感じずに生活していても、たまに出かけてみると、改めて移り住んで地元となった、伸びしろのある自由で、しがらみのない北海道の良さを再認識させられた、古都金沢でのお正月であった。





( 絵 / Midori Kambara )





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